体の痛みや自律神経の乱れ、不定愁訴など様々な症状に効果があるとされる「鍼灸治療」ですが、いったいどんな仕組みで効果が出るのでしょうか。鍼灸は体の表面に鍼や灸などで熱や刺激を与えて治療するものです。つまり、体の反応を利用した治療法だと言えます。体の一部を刺激することによって、中枢神経の中にある「内因性オピオイド」というホルモンが放出します。これは「モルヒネ」のような役目を持っており、痛みが脳に伝わる神経経路をブロックすることで痛みがやわらぐ仕組みとなっています。同時に筋肉の緊張をほぐして治療部位周辺の毛細血管を広げることにより、新陳代謝を促してくれます。これにより疲労物質が取り除かれ、筋肉の疲労回復が得られるのです。また、鍼灸治療には「ツボ」(正式には経穴)という考えがあり、経絡を流れている「気」や「血」の巡りが悪くなるとそこに繋がる内臓などに影響を及ぼすとしています。経絡は全身を張り巡っていて、ツボは経絡を流れる気血の状態が現れるポイントであり、かつ「治療点」ということになります。